サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミー(循環型経済)への貢献

大量生産・消費・廃棄を前提とする経済システムにより、気候変動、資源枯渇、プラスチック汚染などさまざまな問題が深刻になっています。こうしたなか、従来のリデュース・リユース・リサイクルの3Rの取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化を通じて付加価値を生み出すサーキュラーエコノミーへのシフトが求められています。

当社グループは、リース満了で返却された機械・設備の販売はもとより、一般中古機械・設備の買い取り・販売にも注力しており、特に半導体製造装置の中古売買ではリーディングプレイヤーとしての実績を有しています。また、排出物遵法管理ASPサービスの提供や設備・プラント処分元請事業への参入などの3R活動を積極的に進めています。

2023年4月には、全社横断のサーキュラーエコノミー推進ワーキングチームを設置しました。両株主とも連携し、リース会社としてのモノへの知見・ノウハウの活用およびメーカー・販売会社などのパートナーとの協働により、サーキュラーエコノミーの実現に積極的に貢献していきます。

なお、2022年4月の「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」施行を受け、当社では、「事業活動で用いるプラスチック事務用品などの排出抑制」および「プラスチックを使用したリース終了物件の再資源化」に関する目標設定を行っています。

SMART 〜設備・プラントの解体・処分事業〜

SMARTは、(株)アビヅとSMFLみらいパートナーズの合弁会社として2019年に設立された、設備・プラント処分の元請事業会社です。

(株)アビヅが持つ解体工事の監理・施工技術、リサイクル技術と、当社グループが持つモノに対する知見やノウハウ、中古設備のリユースネットワークなどを活かして、プラントの解体工事や設備の撤去作業から、不要となった機械・設備の再販・再資源化まで、ワンストップでサービスを提供しています。各種設備・プラントから桟橋などの建造物まで幅広く請け負っています。

SMARTによる産業設備の3R

排出物遵法管理ASPサービス「PBasis(ピーベイシス)」

サーキュラーエコノミーの実現を目指す企業にとって欠かせない取り組みの1つが、企業活動に伴う排出物を、関連法規を遵守し、適正な方法でマネジメントする「廃棄物ガバナンス」の徹底です。当社が提供するPBasisは、排出物の基本情報や契約書、許可証の内容から、マニフェストの発行、排出量、リサイクル率、CO2排出量の集計・管理に至るまで、排出物情報を「見える化」し、一元管理を実現するASPサービスです。コンプライアンス強化や、業務効率化、資源循環に寄与しています。

  • PBasisはパナソニックホールディングス(株)の登録商標です。

日本最大級の中古機械倉庫(川島倉庫)

当社は、中古機械の保管倉庫としては国内最大規模約3,300坪(約11,000m²)の倉庫を保有しています。需要の高い高年式の中古機械の豊富な取り揃えや大型機から小型機までの充実したラインナップ、さらに、中古機械の適切なメンテナンス実施により、中古機械の供給体制を整備し、お客さまの迅速な設備導入をサポートします。

半導体製造装置の中古売買

1994年から半導体製造装置の中古売買事業を業界に先駆けて開始しました。ワールドワイドに事業展開し、今では世界トップレベルの取扱規模を有しています。金融会社の「資金力」と業界で長期にわたり培った半導体製造装置に対する「査定力」を強みに、2021年度は日本国内の半導体製造ライン放出の主要3つの大型案件を全て受注しました。近年では中古売買に付随する技術サービス業務にも注力し、当社の専門エンジニアおよび協力会社がお客さまの各工場においてさまざまなニーズ対応に当たっています。

メーカーとの協働

廃棄予定の研削盤を新品同様に復元

30年経過した廃棄予定の研削盤を当社が買取り、(株)岡本工作機械製作所/技研(株)がオーバーホールの上、新品同様に復元しました。

中古販売機械にメーカー保守・点検を付加し、リユース率を向上

当社が販売する中古のマシニングセンタに(株)牧野フライス製作所の保守・点検を付加し、リユース率が向上しました。

企業の取り組みへの貢献

ビール工場排水由来のバイオガスを活用した燃料電池発電

当社は、アサヒグループホールディングス(株)とアサヒビール茨城工場で、CO2排出量削減の新たなモデルとして、ビール工場排水由来のバイオガスを活用した燃料電池発電の実証事業を実施しました。本実証事業は、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」で実施し、当社は三菱重工業(株)が納入した燃料電池設備などの対象設備へのファイナンス提供、および申請代表者として事業全体の取りまとめを行いました。2020年10月に運転開始し、2022年3月に実証事業は完了しました。設備の本稼働により年間発電量約160万kWh(一般世帯約350戸分)の電力の供給が可能となり、これにより年間1,000トン程度のCO2排出量削減が見込まれます。今後もパートナー企業と連携し各社の強みを活かし、CO2排出量削減に向けた取り組みを促進することで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

余剰食品の飼料転用で、フードリサイクルの推進をサポート

当社は、余剰菓子・食品の飼料転用に取り組む(株)ナカショク(以下、ナカショク)向けに、冷蔵設備の導入をファイナンスで支援しました。飼料は原料の大半を輸入するなか、異常気象などが要因となり国際相場が高騰、畜産事業者の持続的経営が危ぶまれています。ナカショクは、新潟県で卵・豚肉を生産する畜産事業者であり、期限内に消費されなかった御菓子や酒粕などの食品原料を独自ノウハウで飼料へ転用しています。当社のファイナンス支援により、同社の課題であった夏場のチョコレートなどの原料保管を解消し、取扱品目が拡充しました。加えて、当社は、食品廃棄量削減に悩む食品メーカーとマッチングし、Win-Winの関係構築をサポート、取扱量は増加傾向にあり年間1万トンに達する見通しです。当社は、リースをはじめとしたファイナンスに加え、金融の枠を超えたサービスの提供を通じて、食料の安定供給と食品廃棄量削減に取り組んでいきます。